コラム

窓から見える景色

窓から見える景色

 

 

今回は、家の内と外の接点「窓」についてです。

あなたはいま、家のお気に入りの場所からどんな景色を見ていますか?

 

写真は、土曜日の夕景、那須から宇都宮への新幹線からの空です。

 

 

わたしにとって、このような「遠くの山並みと夕焼け」は、子どもの頃の記憶として鮮明です。

(いまのインターパークのちかくで育ちました)

家の2階の窓から、晴れた日にはこんな景色が毎日見られました。

学校から帰り、家族も仕事から帰ってきて、バタバタと慌ただしい時間帯に、

「あぁ、今日も一日終わりだなぁ」なんてちょっと寂しさを感じつつも、

「今日の晩ごはんはなにかな?」と、お腹が減ってくるそんな記憶です(笑)。

 

住まいをつくるうえで、「どんな景色が見えるのか」はとても大切です。

その景色は住まいの個性でもあり、また、暮らしの豊かさにつながります。

 

豊かな自然環境のなかでは「ここがみたい!」と、ポジティブに窓の位置を決めることができますが、

一方で、密集地やおちつかない環境だと、「ここはみたくない!」ばかりで、

周囲に対してネガティブになってしまうことも。

 

また、なんにも考えずに家をつくってしまうと、せっかくの大きな窓なのに、

外からの視線が気になってレースのカーテンを引きっぱなし・・・という残念な状況もありますね。

(街歩きをしてみると、かなり多いですよ。レースのカーテン)

 

だから、私達設計者は、初めて敷地に立ったときには、

周辺環境がどんなものか、敷地のあちこちからはどんな景色が見えるのか、

あるいは、どんな風にみられるのか、を徹底的に観察します。

 

環境を切り取って、額縁のような窓にしたり、

内部から視線が外に飛び出していけるように、街のすき間を住む人のものにできるように、

高窓(天井近くの窓)や地窓(床レベルの窓)を駆使したりして、ポジティブな窓をつくりたいと思っています。

 

植栽は、そのうえでとても心強い味方です。

「手間いらず」がいいからと、植栽に消極的な方もいらっしゃるのですが、

ここぞというところの一本でもいい、30㎝ほどのすき間でもいい、

内から外への視線上に樹や植物を植えて欲しいなぁと思います。

 

 

ほんの少しの緑でも効果は抜群。

 

 

また、植栽だけでなく、窓から家族が見えるというのも素敵です。

たとえばリビングやキッチンの窓から、子どもや家族が出かけていく様子が見えたり、

帰ってくる気配を感じ取れたり。

そんな、ささやかながら楽しい出会いのある窓だったらいいぁと思います。

 

 

今日は、窓のことを書きましたが、実は朝からこんな景色(笑)。

 

 

 

しばし、見つめ合って、それぞれの一日に戻ったのでした。

理想のダイニングキッチン!

理想のダイニングキッチン!

 

さて、今日は私(村上有紀)にとっての理想のダイニングキッチンについて、お伝えしたいと思います。

色々なところで紹介していますが、私が毎回、設計しながら思い浮かべるキッチンでのシーンがあります。

 

 

それは、自分の体験ではなくて、高校時代の友人から聞いたイメージなのですが、

ずっとその友人みたいな暮らしのシーンをつくれたらいいなぁと思っています。

 

 

彼女の高校時代は、勉強も部活も一生懸命、優しくて面白くて、とても素敵な女性でした。

そして、家族が大好き。一番好きな時間は、夕方、お弁当箱を洗ったりしながら、

キッチンでお母さんと学校のこと、部活のこと、恋愛のことなどをおしゃべりすること!

と言っていました。

 

そういえば、毎日おいしそうなお弁当を食べながら、

私達にもお母さんやご家族の面白エピソードなんかを教えてくれてたっけ。

 

高校生と言えば、なんとなく、家族と距離を置きたいお年頃だったりもしますが、

「家族大好き」と楽しそうに話す彼女を「へぇ〜」と思いつつ、素敵だなぁと思い、

その夕方の親子の会話風景は、私の妄想も入って、とても温かいシーンとなり、

私の記憶に焼きついたのでした。(実際に見たことはないので、本当に妄想です、笑)

 

それは、壁に向かってのキッチン(サザエさんやちびまる子ちゃんの家のように)で、

お母さんが晩ごはんの準備をしています。

 

手前にはダイニングテーブルがあって、ちょっと夕暮れのオレンジ色の光が入り、

友人とお母さんが背中越しに、いろんな話をしていて、時折お母さんが振り向いて・・・

というようなシーンです。

 

今は、コミュニケーションのために対面キッチンを!というのが主流ですが、

この「背中越し」というのが、話がはずむポイントだったのではないかしら?

とも思っています。(特に高校生にとってはね^^)

 

背中越しだからこそ、楽しいことだけでなく、いろんな相談事も素直に言えるような、

そんな気もするのです。

 

この記憶のおかげで、キッチンでの暮らしのシーンを思いながら設計するのが本当に楽しい。

具体的なキッチンのカタチは色々ありますが、そこで生まれる暮らしは、

彼女のおうちのような、日々の愉しみや幸せ、家族の優しさを実感できるものでありたいと思います。

だから、理想のダイニングキッチンを教えてくれた友人には本当に感謝です。

 

残念なことに、本当に残念なことに、彼女は8年前に病気で亡くなってしまったのですが、

翌年、彼女が闘病中につづっていたブログを、ご家族が書籍としてまとめてくださいました。

 

 

そこには、彼女のお母さんから亡き娘へのメッセージとしてまえがきがあり、

その中にこんな文章をみつけました。

 

「…学校の事、友達の事、どんな事でも、食事の支度をしている私の後ろに立って、

話し続けていましたね。あなたは、とてもおしゃべり好きな女の子に成長しました…」

 

友人が大切だった時間は、お母さんにとっても幸せな時間として心に残っているものだったのですね。

(この一文には、本当に涙があふれてきます。)

 

子どもも、大人も、家で過ごした記憶、家族の過ごした風景は、

その後の人生で、ちょっと凹んだ時、さびしく感じたとき、つらいなと思った時、

自分自身を支えてくれている、と、この歳になってすごく感じるようになりました。

だからこそ、その舞台となる家づくりをお手伝いする私達には責任があり、

精一杯、それぞれのご家族を応援したい!と思うのでした。

Share Happiness!(家事シェア)

Share Happiness! (家事シェア)

 

早速ですが、今回は皆さんにもおなじみの「ポッキー」から考える、家事のお話です(笑)。

 

 

さてさて、ポッキーのブランドメッセージは、

”Share happiness!Pocky” 〜分かち合うって、いいね!〜 とのこと。

企業サイトはコチラ。 こんなメッセージがありました。

 

人と人との間にポッキーがあることで、

会話のきっかけになる、ちょっと関係がよくなる、気持ちがつながる、

お互いにしあわせな気分になれる。

それがポッキーの望むこと。

 

なるほど。

そういえば、近年「シェア」という言葉もよく聞くようになりました。

「シェアハウス」「ワークシェア」「カーシェア」などなど。

ちょっと前、NHKの「あさイチ」で「家事シェア」というテーマが組まれていましたね。

ずいぶん、反響が大きかったそうです。「家事分担」ではなく、「家事シェア」。

 

 

私(村上有紀)もメンバーになっている「家事塾」では、

「家族みんなで家のコト」

を合言葉に全国の仲間たちがそれぞれの分野で活動しています。

子どもも、大人も、(同居人も)、一緒に住まう人はみんなで家事を分かち合う。

そのほうが、みんなが楽しくなるよ、と。

 

 

私は、設計するなかで「家族みんなで家のコト」ができるようにと思っています。(くどいですが)

そのご家庭で、家族みんなで家事をまわしていく心持ちが「家事シェア」であり、

毎日の Share Happiness!となるのだと。。

 

以前、ある家庭科の先生のエピソードを聞いたことがあります。

思春期の息子さんとめっきり会話がなくなってしまっていたけれど、

なぜか「ギョーザを包む」という作業を手伝ってもらっているときには

会話が生まれるのだとか。

 

確かにそうかも。

家族同士だからこそ、面と向かって話すのは照れくさかったりするものですが、

なにか作業をしながらだと、リラックスして気持ちを吐き出せるのかもしれません。

 

さて、ポッキーからのメッセージの言葉を「家事」「家族」とに置き換えてみました。

 

家族と家族との間に家事があることで

会話のきっかけになる、ちょっと関係がよくなる、気持ちがつながる、

お互いにしあわせな気分になれる。

それが家族の望むこと。

 

うーん。なかなかいいじゃないですか(笑)!

「それが家族の望むこと」←「母の」ではなく「家族の」ですよ(コレ大事)。

子どものお手伝い・キッチン編

 

子どものお手伝い・キッチン編

 

 

キッチンにも、子ども達がやってみたいお手伝いがたくさんありますね。お料理とか、食器洗いとか。

たとえば、晩ごはんの準備どき、こんな経験ありませんか?

 

「私もやりたい!」と言ってくれる子どものやる気、これは無下にしてはいけないと、
隣に立たせて一緒にご飯の準備をします。

 

 

危なくないよう安定感のある作業スペースを確保してあげて、

小さな子どものことなので、踏み台を持って来て・・・と始めることがおおいでしょう。

すると、踏み台が邪魔でキッチンカウンター下の開き戸や引き出しが開けられない…。

お手伝いをお願いすると、キッチンの私(大人)の仕事がストップしてしまって、あ〜、もぅ!

 

そんな時には、ダイニングテーブルをお手伝いの場として活用するのがおススメなのですが、

対面キッチンでダイニングがカウンターの向こう側だと、それも面倒です。

 

対面キッチンが主流になる前は、壁付けのキッチンから振り返るとダイニングテーブル、なんてレイアウトも
多かったのではないでしょうか。このスタイルだと、お手伝いもしやすいですよね。

ただ、やはり家族や子どもを見守りながらキッチンに立てるのは、捨てがたいものです。
そこで、私達がよく提案するのは、キッチンとダイニングの横並びの関係です。

 

 

横並びだと、移動もラクですし、同じ方向を向いて作業ができるので、

包丁や道具の使い方を覚えやすく、手を添えたりのサポートもしやすい。

視線はリビング(とテレビ)に届き、動きはダイニングにダイレクト。

結構、使い勝手がいいとおっしゃってくれています。

 

キッチン空間は、家族のかたちが現れやすい場所です。家族がどんなふうに「つくって食べる」のか、

ぜひご家族でも話してみてくださいね。

 

追記

そうそう、先日、こんな記事がありました。

「食器洗いは空間認識力を育む「3Dパズル」…ライオンが出張授業」

料理も段取り力が鍛えられると言います。思わずニヤリとしてしまった親心でした(笑)。

プランで家事を応援します(洗濯動線)

プランで家事を応援しています。(洗濯動線)

 

このところ、小さなお子さんのいる3組の共働きのご家族との打ち合わせがありました。
ともに教員でめまぐるしい毎日を送るご夫婦には、0歳と4歳の女の子、
ともに夜勤があり、ご両親のサポートを得ながらのご夫婦には5歳の女の子がいます。

 

打合せでは、日常の様子を詳しくお聞きするのですが、
本当に、家族(親族)一丸となって家のコトと、子育てと、お仕事とを
まわしていくご様子には、共感し、感心し、頭が下がる思いです。

 

「それはもう大変!」「保育園に連れて行くまで朝は戦争のようで…」という言葉に、
私たちも「あぁぁ、そうだったなぁ」と子ども達の過去を思い出して、
子育てと家事のあるある話をしてきました。

 

色々ある家事の中でも、洗濯物に関するお悩みは多いようです。
「脱ぐ→洗う→乾かす→畳む→しまう」
と、そのプロセスが多く、時間もかかります。

 

しかも、その一連の行為が、それぞれ別の場所で行われますから、
洗濯動線がよく練られていれば(自分たちの暮らしに合っていれば)、
家事がうまくまわせますが、その動線がよくないとストレスが日々積もっていきます(笑)。

ヒアリングの段階で、それぞれのご家族の「洗濯のクセ(習慣)」をお聞きして、

プランの上で、それぞれの暮らしに合った洗濯物の動きをシミュレーションしています。

家づくり」を通して私たちも、それぞれのご家族の家事や子育てを応援できれば!

という思いで、家事動線にエールを込めています。

 

そして、これから設計がスタートするもう1組は

小3(女の子)、小1(男の子)、3歳(女の子)という兄弟に、

来年早々には新しい赤ちゃんが生まれるご家族でした。

 

その日常を聞くと、小学生の子ども達がお風呂そうじや洗濯などで、

しっかりとご両親の「家事戦力」となっているとのこと。

仕事、学校(学童保育)、保育園から一斉に帰ってくる夕方、お母さんには

同じく嵐のような時間だけれども、子ども達の協力を心強く感じているそうです。

 

そんな、「一歩先をいく子育ての先輩の話」も、他のご家族のエールになるかもしれません。

家事をテーマにしたおしゃべりカフェなんかもおもしろそうだな・・・なんて思ったのでした^^。

 

そうそう、最後に。

共働きのご家庭では、夜に洗濯することも多く、また、日中は留守にしますから、
「室内干し」の場は、必須項目にもなっています。
動線のよさももちろんですが、「リビングから見えない場所で」というのが叶えられると嬉しい。

 

 

↑このお宅では、階段から続く室内干しの場所を設けました。(子どもの育ちを見守る家5松戸の家)

お手伝いも期待して、子どもの遊び場と兼用ですが、何かと重宝してくれているそうです♪

家のメンテナンス(ペンキ塗り)

家のメンテナンス(ペンキ塗り)

 

 

私達は、縁側や土間、リビングから続くウッドデッキなど、

内と外の中間領域に気持ちの良い場所の提案をしています。

できればその場所には居心地良く、木をつかえればと思っています。

 

 

 

 

外部木部は、どうしても住みながらの手入れが必要になりますので、

だいたい1年半〜2年に一度の間隔で塗り直しをしています。

 

 

今年で11年目になる我が家ですが、工事中、現場を見ていた時のこと。

近くの不動産屋さんが通りかかり、私のことを施主でも設計者でもない近所の人と思ったのか、、

「あ〜、あの木の手摺とかね、最初は雰囲気があるんだけど、すぐにダメになるよ。

もって3年ってとこじゃないかなぁ…」

なんて、教えてくれたのでした。

 

「へぇ〜、そうなんですか〜」

って応えていましたけど、内心カチンと来ました(笑)

 

その後、年末の大そうじの時期や、春休みの時期をつかって、
ペンキ塗りに励んでいますが、10年経った今も、まだまだ大丈夫です。

 

それまでは、ペンキ塗りって結構大変そうだわ・・と思っていたのですが、
やってみると、思ったほどではなくて、子どもたちも巻き込んでの
ちょっとしたイベントにもなっています。
(子どもたちもいい戦力になっています)

 

 

最近は、なるべくメンテナンスが必要ない建材がでていますし、お施主さんも苦手意識が多いようです。

確かに、メンテナンスフリーであることは、住まいを長く使う上で有利な条件ともいえますが、

こんなふうに「定期的に観察して手を入れねばならない」という素材の方が、実は長く使えるのでは、、

と、思います。

 

ただ、「お施主さんが脚立程度で手が届いて、自分でメンテナンスできること」という条件も必要ですので、

その点は要注意です。

子どものお手伝い・まずは片づけから!

家づくりを考える方のなかでも「子どもの成長の節目」がきっかけという方は多いと思いますが、
子育て環境、子が育つ環境を整えるということは、家づくりのおおきな目的・目標のひとつといえます。

 

 

 

では、子育ての目標は?

 

小さなお子さんがいらっしゃるご家族には、
「将来、お子さんにはどんなふうに育ってほしいですか?」
なんて、質問をさせていただいています。

 

 

すると、乳幼児のお子さんの場合、「のびのびと」だったり「元気に」という答えが多く、

もう少し大きくなると、「優しい」「友だちとうまくやっていける子に」という親心が出てきます。

さらに学童期になると、「勉強や生活を自分でコントロールできるように」ということや、

希望の職業をイメージしている親御さんもおられ、だんだん親心のハードルがあがってきます。
あ、あと「片づけができる子」もおおいですね(笑)

 

そして、やっぱりそれにはお手伝いが役に立つわけです。(キッパリ!)

 

 

ではでは、どんなお手伝いがいいの?

 

 

ということですが、小さな子どもがだんだん「できること」が増えていくように、

お手伝いも成長に合わせて段階的に進めていけるといいと思います。

 

 

2歳〜3歳くらいからだと、まずはじめは「お片づけ」がやりやすい。

この年齢のお子さんのママは、きっと、一日中片づけをしていると思います(笑)。

それを子ども自身が、ちょっとした声掛けでできるようになってくれたら

とっても助かると思いませんか?

 

目標は「出したら戻す」が自分でできるようになること。

その第一歩は、お父さんやお母さんに言われたら「元に戻せる」こと。

 

このくらいのお子さんが遊ぶスペースは、

リビングなどの家族のスペースであることがほとんどだと思います。

だから、リビングは散らかりがちですし、散らかったままになってしまうと、

くつろぐには程遠い空間になってしまいます。

だからこそ、家族みんなが気持ちよくすごすためにも「片づける」ことを覚えて欲しい。

 

そのためには、子どもが自分で戻しやすい収納やルールが必要です。

ルールというのは、どこに何をしまうのか=戻す場所がきちんと決まっている状態。

つまりは、親が、「子どもが元に戻せる」ような環境を整えておく必要があるわけです。

 

 

 

家づくりの際には、子どもがどこで遊ぶだろうか?どんなおもちゃで遊ぶだろうか?

ということを考えて、リビングの収納などを考えていきたいですね。

(えてして、大人の希望をよそに子どもの選ぶおもちゃは派手です。)

子どものお手伝いができる家づくり

小学校では、夏休みや冬休みの宿題に「お手伝い」がありますよね。

低学年の生活科の授業でも「お手伝い」にじっくり取り組みます。

お風呂掃除だったり、食器洗いだったり、料理だったり、

子どもは自分のやれそうなもの、やりたいものを選んでやります。

「宿題だから仕方ない」という思いもあるかもしれないけど、結構楽しんでいる様子。

 

 

 

でも、実はこれ、一番忍耐力が必要なのは、親です(笑)

ホンネを言えば、自分がやった方が早いし、片づけの量が増えるし、サポートは必要だし、

包丁なんて、ハラハラしちゃってついつい口うるさくなってしまうし。

心のゆとりが無い状態だと、今度にして!と思ってしまうものです。

 

でもやっぱり、お手伝いにはいいことがたくさんあります。

家事ができるようになる、というだけでなく、家族のコミュニケーションや子どもの将来にとっても

やらせなきゃもったいない、というくらい。

 

というのも、お手伝いって、自分のことでもあるけれど、「家族のために」自分が動くということでもあります。

例えば、

・お母さんやお父さんに「お願い!」と頼まれたときに、すぐに動けるチカラ。

・自分の役割が決まっていれば、それを家族が困らないように、忘れずにやる責任感。

・「これもやっておいたら家族が助かるかな?」と動ける気配り。

 

お手伝いを通してこれらの力が身につくとしたら・・・

「家族のために」を「社会のために」と言い換えてみてください。

家族の役に立てない人が、会社や社会で役に立てるのかどうか、実に疑わしい(笑)。

逆に、お手伝いでしっかり「家族の役に立つ」ことができる子は、

自分の能力で、責任感をもって、気配りをしながら社会で食べていくたくましさが

身につくように思います。

 

だから。私たちは、家庭でのお手伝いを応援しています。

お子さんはもちろん、それを忍耐強く見守る親御さんのことも。

 

ハピケンブログでなぜお手伝い?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、

家事のしやすさを考えるのに、「家事動線」を考えるのと同じく、

お手伝いをさせたいならば、「お手伝い動線」も考えたいからです。

お手伝いさせたいけれどこのキッチンじゃぁ、この間取りじゃぁ、大変よね・・・

とならないように。

そして、子どものかわいいお手伝いがありがた迷惑にならず、

心からの「ありがとう!」をもらえるように。

家づくりと家のコト

 

私達は「家のことを楽しもう!」というコンセプトで住まいを設計しています。

家の中では家族の悲喜こもごも、いろんなことがありますが、家事も大切な家のコトです。

ここ十年くらい、住宅業界では「家事ラク」というキーワードが流行っているように、

家づくりの際に、「家事」はとても重要なテーマになってきました。

キッチンのあり方だったり、家事動線、さらにはワークライフバランスについてまで、

家づくりでのお客様と家事についてのお話すると、それはそれは話がいろいろと広がっていきます。

 

その中で思うこと。

家事はだれもがやっているけれど、十人十色のやり方があるということです。

家族が違ってライフスタイルが違うのだから、家事の形も違うのが当たり前なのですが、

家事について友達と語ることは少なく、むしろ(ズボラっぷりは)隠しておきたい(笑)。

自分の家事と、他の家の家事との違いを知る機会って意外とないものです。

 

だから、住まいへの要望を聞く中で家事の話になると、本当に面白いです。

「へぇ〜、そんな家族ルールがあるんですね〜。」

と、私も仕事を忘れて(いや、忘れません)、話に花が咲いてしまいます。

なかには

「パパ(ご主人)に○○をやってほしいんだけど・・・」

「奥さん、片づけが超苦手で・・・」

という、普段は言えないコトバがポロリと出てきたり。

そんなふうに家事を考える時間も「家のことを楽しむ」時間です。

 

 

住む人たちが自分たちの家事のカタチ、暮らしのカタチをわかっていて、

私達「設計する人」に共有してくれれば、最適な家事空間をご提案する自信はあります!ので、

家づくりをきっかけに、家族で家事をして、家事がたのしい時間となってくれればいいなぁと

思っています。

おうちの絵本

おうちの絵本

子どもだって、おうちづくりは楽しいもの。せっかくの家づくり、どうぞお子さんにも参加してもらいましょう!
家づくりの「おもしろさ」や日々の暮らしの「大切さ」を感じられる絵本をご紹介します。
我が家の子ども達もお気に入りの絵本たち。娘は「おうちをつくろう」のオムレツが、息子は、怖くて優しい「イエコさん」が大好きです。
おうちの本棚
ティモシーとサラときのおうち
ティモシーとサラときのおうち
子どもよりもむしろ大人が憧れる、ツリーハウス。仲良しの友達同士で、きのおうちづくり。
途中、近所のおばあさんも加わって、素敵な秘密基地が完成します。絵の感じは、シルバニアファミリーのようなかわいらしさ。
ドールハウスをみるような感覚で、細かく描かれた、絵の中のおうちを楽しめます。
100かいだてのいえ
100かいだてのいえ
ある男の子のところへ、誰かからおうちへの招待状がとどきます。地図の場所に行ってみると、てっぺんがかすむほど高いいえがありました。一体だれが住んでいるの??と階段を上ります。
下から上へとページをめくるスタイルは、100階建てならでは。
ちいさいおうち
ちいさいおうち
いわずと知れた名作です。花を愛で鳥と遊ぶ暮らしをしていた小さなおうちですが、徐々に近代化していく世の中で、いつのまにか・・・。
表紙絵のニコニコ笑っているようなおうちの表情が、環境の変化とともに変わっていき、小さな子どもでもその心情を察します。
リコちゃんのおうち
リコちゃんのおうち
こちらもダンボールでつくる私だけのおうち。お人形のおうちのはずが、私も入っちゃって、みんなで協力して楽しいおうちをつくります。 りこちゃんもかわいいけれど、りこちゃんのお母さんも素敵。
バーバパパのいえさがし
バーバパパのいえさがし
『ちいさなおうち』につづきどんどん近代化する世の中への批判がこもったお話です。
家さがしをはじめたバーバパパ一家が、途中、不本意なアパート暮らしをしながらも理想の家を手に入れます。それぞれ個性的なバーバパパ家族、個性的な部屋が集まった楽しい家になりました。
わたしのおうち
わたしのおうち
子どもとダンボール・・・誰でもやっちゃうのがおうちづくり。
自分だけのおうちをつくり始めた女の子は、原っぱに場所を移動し素敵なおうちをつくります。
そこには、動物達が次々とやってきて・・・。のんびりと空想が広がる素敵な話です。
くすのきだんちは10かいだて
くすのきだんちは10かいだて
カエルが偶然見つけた、とっても素敵なくすのきの「くすのきだんち」。空き部屋があるのはよかったけど、上下の住人が天敵の鳥だなんて。僕には無理、住めない!と思っていたら…。
いい団地には、いい住人が集まるのですね!
木の中がおうちというも、子ども心をくすぐります。
たのしいたてもの
たのしいたてもの
工事途中でほったらかしのたてもの。無機質なコンクリートの箱が、ひとりの建築家のしかけで、生き生きとした暮らしの舞台に変わっていきます。やっぱり、建築は人の生活、活動があってこそですね。
絵も緻密で見応え十分、集まって住むのは楽しいナ♪
つみきのいえ
つみきのいえ
水に沈んでいく街で、家を積み木のように重ねて暮らしてきたおじいさん。あるときまた水があがってきて、また家を高くのばさなくちゃ…と家づくりの途中、パイプを水底に落としてしまい、とりに行きます。
そこには、以前の家があって、そこでの記憶があり…。
不便でもそこに住みたいと思うおじいさんの、心にしみるお話です。
イエコさん
イエコさん
住んでいたおばあさんが引越ししてしまって一人暮らしを始めたイエコさん。
思いもよらぬ展開(パクリ、ペロリ)とイエコさんの姿に子どもはもちろん大人も唖然とします。
さびしいからみんなをパクリと食べちゃうのか・・・。
さびしいのはどっち?やっぱり大勢で暮らすのは楽しい? 謎掛けのような絵本です。
おうちなのね
おうちなのね
お絵かきから始まる「おうちなのね」。子どもの頭の中をのぞくような、小さい子むけのほのぼの絵本です。
嵐がきても、雷がきても、おうちはあなたの味方。人気の100%ORANGEの絵がまたかわいい。
だれのおうちかな?
だれのおうちかな?
建築家のねずみ・エロイーズさんが仲間の動物たちのためにつくったおうち。
それぞれの暮らしをみつめて最適な住まいのかたちをつくりだしています。
絵がとっても細かくて大人もしばらく見入ってしまうほど。
絶版なのが残念ですが、図書館などならあると思います。
おうちをつくろう
おうちをつくろう
おにいちゃんの「つみきでおうちをつくろう!」 の言葉からはじまるかわいい兄妹のおうちづくり。
そうそう、空想はどんどん膨らんでいくのよね。ふと子どものころを振り返ってしまう楽しさです。
実際の住まいづくりでも妄想は膨らんでいきますが・・・。