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身体尺とソーシャルディスタンス

いま私たちが心がけているソーシャルディスタンスは、
今後も継続して人と人とのコミュニケーションの距離感になっていくだろうし、
欧米の握手やハグの生活文化も変わらざるを得ない、ということなんですね。

そんな話題を聞きながら、私たちび体に染みついている身体尺を思い出しました。
日本でも世界でも。身体のサイズにあわえて、単位(モデュール)がつくられ、
空間はつくられてきました。

日本でいえば、手の大きさ、肩幅、という体の部位から、
畳一畳の大きさ、その畳○枚分という、部屋の広さにつながります。
「起きて半畳、寝て一畳」なんて言いますよね。

家族が住む住宅の中では、この単位空間は変わらないと思いますが、
パブリックなスペースでは、基本となる人と人との距離感が変わるので、
建築計画の基礎的な単位空間(その動作や行為にはどのくらいのスペースが必要か、など)
というのは、変わっていくのかもしれないなぁと思いました。

飲食店の座席や様残な場所での待合など。
座席数をできるだけ確保して収容人数をあげる、というのではなく、
かといって、距離をとればよいというものでもない。

そんな細かなレイアウトの工夫や空間構成の工夫というのが
必要になってくるのかもしれませんね。

延びゆく空間

西に母屋、南に古屋とりんご畑
東と北に広大なりんご畑が広がっている敷地の住宅です。

この住宅の階構成を次のように考えました。
南に古屋があるため外に対して開くことができず、
東と北の広大な畑は生活上の関係を持つというよりも、
風景としての関係を大きく持つものとして捉えました。
その結果として、1階は寝室などプライベートな場所を、
2階にリビング、ダイニング、キッチンなどの家族みんなの場所という
階構成としました。

2階は東西一直線にキッチン・ダイニング・リビングと連なり、
子どもの居場所、ママの居場所、ご主人の居場所など、
家族それぞれの居場所をその周りに配されています。

どこまでも続く畑と内部が一体に感じられるよう、
空間の広がりを感じられるよう、
東は壁全面を窓としています。
またその効果を高めるため、その他の壁は窓を最小限にし、
南の光のために高窓を設けています。